「モノづくり日本の技術が危うい」と言われ始めて久しい。この話題になるともっぱら製造業がクローズアップされるが、建設業界も技術の伝承に危機感を抱いている。若手が育たないのではなく、最初からこの業界に入って来ないのだ。 あと10年は大丈夫と思うが、その後も今の状態が続けば、遠くない将来この国は自前の技術者だけでビルを建てられなくなるのでは、と本気で懸念している。
そのくせワーキングプアーだの日雇い派遣だのと、「若者に意欲があっても働く場所がありません」とテレビはおっしゃる。その画面に「だったらウチに来いよ、鍛えてやるから!」と思わずツッコミを入れるのは、私である。
土を相手にするこの仕事は確かにキレイではないが、機械化が進んだ昨今は体力よりも技能がモノを言うし、第一この仕事で過労死した人の話などは聞いたことがない。汗をかくことを厭わず、技術を磨き知識を蓄えて行けば、充分家族を養えるだけの収入を得ることが出来る。
危険と隣り合わせのイメージを持つ人にも一言。-掘削作業中に作業員が生き埋め-などというニュースが流れるたびに、なぜ防げなかったのかと思う。我々に言わせれば、土を良く知らない連中がろくな安全対策もせずに施工をしているから、事故が起きてしまうのである。大手ゼネコンの現場がどれだけ「安全」に気を使っているか、そして我々も事故を起こさないようにどれだけ努力しているか、一度その目で確かめて欲しい。
日本の土木技術は世界トップレベルにあると言われる。しかしどんなに素晴らしい技術であっても、施工する職人の側にその技術を理解するだけの知識や経験、その技術を具現化するだけの技術がなければ、絵に描いた餅に終わるだろう。
我々の経験と技術とそして知恵を、次の時代に受け継いでくれる人を真剣に求めています。 |